長距離航海者の広場
エッセイ
【テーマ:自動操舵装置について】
アンケート回答例:「Blue Fantasy」の場合
(2007年08月08日掲載)
【質問1:自動操舵装置はウインドベーン、オートパイロットどちらを載せていましたか? または、両方とも積んでいましたか?】
 ウインドベーン、オートパイロット、どちらも乗せています。
【質問2:ウインドベーン、オートパイロットそれぞれのメーカー名や機種名を、よろしければ教えてください。 また、なぜその機種を選んだのかの理由も併せて教えていただけますでしょうか?】
 ウインドベーン: モニター
 選択理由:とにかく強靭に作られているということ。そして故障率が低いこと。ちなみに私が14年間使用した期間に故障したパーツは、小さなターンブロックの割りピンだけでした。現在の情報は取っていませんが、約10年前のBOCレースのボートのうち半分以上がモニターを使用していました。また更にモニターの特徴として、ラダー折損事故の際には、もともとモニターのために取り付けられているステンのフレームを利用して、イマージェンシーラダーが使えます(別売)。コマーシャルベースでイマージェンシーラダーを販売しているのはモニターだけです。モニターのホームページ、或いはmonitor windvaneで検索すると怪しげな日本語訳でも見られます。
 オートパイロット: オートヘルム ST4000Wheel
 選択理由:ステアリングシステムがワームギアのため選択の余地なし。
【質問3:1の質問でウインドベーン、オートパイロットどちらか一つを載せていたとご回答くださった方は、なぜそれを選んだのかを教えてください。】
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【質問4:1の質問でウインドベーン、オートパイロット両方載せていたとご回答くださった方は、なぜ両方載せたのかを教えてください。】
 実際によく直面する無風状態で機走が続く時に、オートパイロット無しでは過労状態になる危険性があります。一方でオートパイロットはよく故障するし、いつ何時、ヨットの電気系統が使用不可能になるかもしれません。それを考えるとウインドベーンは安心です。
【質問5:ウインドベーンを実際に使った時に感じた長所や短所、注意していた点などありましたら教えてください。】
 ウィンドベーンは風が変わると当然ヨットの進行方向も変わります。岸近くを走っているときは要注意です。長所はなんと言ってもヨット本来の風だけで帆走している事の満足感です。順風満帆の時に機械に頼るのはなんとももったいない。
【質問6:オートパイロットを実際に使った時に感じた長所や短所、注意していた点などありましたら教えてください。】
 オートパイロットは順調に動いているときは、確かに手を合わせて拝みたくなるような存在です。
【質問7:ウインドベーンやオートパイロットが壊れるなど、動作しなくなった経験がありますか? もしあれば現象や原因、その後の対処方法などを教えてください。】
 モニターのウインドベーンが壊れたことはありませんが、オートパイロットは4−5年に一度故障します。特に外付けのオートパイロットは潮がかかるので故障しやすいです。リモコンは水密になっているとはいえ、必ず基盤に塩害が生じます。長距離クルージングの場合は、まるまるワンセットをスペアに持つのがベストと思います。
【質問8:ウインドベーンやオートパイロットに関して、どのようなスペア部品を用意していましたか? またそれらを選んだ理由を併せて教えてください。 】
 モニターのウィンドベーンではクルージング用スペアパーツキットを買いました。約2万5千マイル走りましたが、パーツはまだ一切使ったことがありません。
 一方オートパイロットは私の場合はリモコンが修理不可能の故障で、14年の間に3回新しいものと取り替えました。当初はパーツとしては、ドライブベルトくらいしか持っていませんでしたが、今は予備の一式を持っています。これでオートパイロットがどこで壊れても安心です。
【質問9:クルージング中に自動操舵装置関係で苦労をした経験、興味深かった経験、その他お考えやご意見などありましたら、ご紹介いただければと思います。】
 特にありません。
「Blue Fantasy」
航海時期 1994〜2007(現在も航海中)
航海エリア サンフランシスコ〜パナマ〜カリブ海一周(4年半)〜パナマ〜南太平洋〜メラネシア〜ミクロネシア〜フィリピン〜現在マレーシアのボルネオに上架中。この先シンガポール、タイと回って行く予定。