長距離航海者の広場
エッセイ
【テーマ:アンカリングについて】
アンケート回答例:「夢丸」の場合
(2007年06月16日掲載)
【質問1:メインアンカーのタイプ、ウエイト、船のトン数は?】
 CQR、45lb、9.1ton
【質問2:スペアアンカーの種類、ウエイト、個数は?】
 デルタ、35lb、1個、エマジェンシーとして国産漁船用フィッシャーマンタイプ、40kg、1個
【質問3:アンカーチェーンの太さ、長さは? またスペアのアンカー索があればその長さは?】
 確か8mm位チェーン75Mに、プラス20mmナイロン三つ撚り50M。スペアは同じく8mmチェーン20Mに20mmナイロン三つ撚り50M
【質問4:アンカーウインドラスの有無、タイプ、手動か電動か、電動であればそのパワーは?】
 あり、バーチカルタイプ、電動、パワーは忘れた
【質問5:アンカリングの際に最低限注意しなければならないと考えていたのはどのような事ですか? その理由もよければ教えてください。】
 ライン長水深の4倍確保
 三倍で滑ったことあり、QCRは経験では4倍出してあればまずOK
【質問6:アンカリング用に何か別途装備を持ってたり、特別な工夫をしたりしていましたか?】
 ほぼオールチェーンなので船側2M位をチェーンフックでナイロン三つ撚りをかませてクリートに止めチェーンをたるませ緩衝とウインドラスの保護をしていた。
【質問7:アンカーが効かずに困った経験はありますか? あればどのような底質にどんなタイプのアンカー使ったのか等、状況を教えてください。】
 投錨時にはないが、結果で滑っていたことはあり、次項。
【質問8:走錨した経験はありますか? あれば天候、ロケーション、底質、アンカーのタイプ等、状況を教えてください。】
 オーストラリア、コーラルシー、CQR、軽い底質でライン長がやや短かった。強風吹きっさらしで広かったので事なきを得た。朝起きたらだいぶ離れたところに居た。
 隣の船ははるかかなたに流されていた。
 エーゲ海クレタ島ハニア、デルタアンカーをスターンで岸壁にバウ付け、最初確かに利いていたが強風で夜間滑り助けを借りて何とか横付けにした。
 CQRは先にも述べたがどんな底質でもライン長さえ十分取っていれば、触れ回ってもまず滑らない。
 デルタは底質によっては外れる可能性がある。
【質問9:その他クルージング中にアンカリングで苦労をした経験があれば、どのような条件、状況であったのか教えてください。】
 カリブ海の狭い湾の中でアンカリングスペースを探すのに苦労した。
 良いスペースを見つけてアンカーを入れたが、隣の船からここは風が暴れるので近すぎるとクレーム。
 再度少し離してアンカーを入れたが、確かにすぐ横の船と触れ回る方向が全く違うことがあった。小さな湾でいろんな方向から風が吹いていたようだ。
 ぎりぎりの深さでライン長を極力短くして、触れ回しもなるべく小さくしたいが、そういう場所は先入艇がたいていアンカリングしている。
 短くすると、滑る危険も生ずる。投錨ポイント、ライン長にはいつも考えさせられる。
【質問10:もし次回(航海中の方は今後)クルージングに出かけるとしたら、前回の装備を変更しますか? 変更するとしたらどのように? またその理由も教えてください。】
 今のままで概よし。
 改善するとしたら、スペアにダンフォースを加える。
【質問11:その他、アンカリングに関して興味深い話、思い出話、ご自身のお考えなどありましたら、教えてください。】
 何回も言うが、私やはりQCRがもっとも良いように思う。
 地中海のクルージング艇が、よく集まるあるマリーナで、勘定したことがあるがクルージング艇の半数以上はQCRを使っていた。信頼の高さだと思う。
 ウインドラスはバーチカルタイプをつかっているが、構造から考えて、メンテ性、手動時の使いやすさ故障の少なさからハンドルつき電動のホリゾンタルタイプのほうが良いような気がする。
「夢丸」
航海時期 1999年5月〜2004年11月
航海エリア 西回り世界一周