長距離航海者の広場
エッセイ
【テーマ:食事について】
アンケート回答例:「みやこわすれ」の場合
(2006年11月30日掲載)
【質問1:航海中(走っている場合ならびにアンカレッジにいる場合)は、どのような食生活でしたか?】
・定番の料理名は?
 寒いところでは、具だくさんの豚汁や雑炊、残飯整理とも呼べるスープ類。和風だし、中華だし、激辛韓国風、味噌、コンソメだし、などで変化しても中身は同じ。
 暑いところでは、ポテト、パスタ、などをベースに、缶詰のコーンやハムやツナでサラダ風。これもドレッシングが変われど、材料が限られてるので、見た目が同じ。
 航海中は出来るだけ少ない食器で、食べやすく、となるとこうなります。
 停泊中は、食材が買える所なら、陸での生活とあまり変わらなかったと思います。
 サラダやステーキや果物、冷たいビール、航海中に『食べたぁーい!』と叫んだものを一通り制覇した後は。
・料理をする上で気をつけていたことは?
 火傷。油はもちろんの事、パスタを茹でたりの熱湯も、航海中は恐い。
・工夫したことは?
・その他エピソードなどを教えてください。
 北太平洋横断中は、ビンナガがいくらでも掛かり、刺身、塩焼き、ムニエル、オイル漬け、煮付け、思いつく限りの料理法で食し、かまぼこもどきも試作したけれど、労多くして、報われぬ味でした。
 アメリカで、オーブン付きのジンバルガスコンロに取り換え、カナダ人に手ほどきを受け、パンが焼けるようになったのは画期的でした。焼きたてのパンとコーヒー。食生活が豊かに!
【質問2:長持ちすると思った食材は?】
・野菜、果物、その他なんでも、長持ちするなぁと思った食べ物を教えてください。
 南太平洋に入って、バナナが青いうちは、芋類と同じ調理法で主食やおやつになり、熟して黄色くなると、お馴染みの果物となる事を知り、利用範囲が広がりました。
 パパイア・アボカドも青い固めを新聞紙にでも包んでおくと、一週間ほどで熟れて軟らかくなり、出港時に仕入れた野菜が切れる頃に楽しめると知りました。ただ、その青さ・固さの見極めを誤ると熟れずに腐るので、慣れるまで経験が必要。
【質問3:食材を長持ちさせる工夫】
・常温で、または冷蔵庫を使用して、それぞれ、食材を長持ちさせる工夫をご存知でしたら、教えてください。
 ――無回答――
【質問4:冷蔵庫・冷凍庫】
・冷蔵庫や冷凍庫はお持ちでしたか?
 あの当時、冷蔵庫のあるヨットなんて、夢でした。
【質問5:お勧めの保存食】
・レトルト食品や缶詰など、お勧めの保存食品はなんでしたか?
 30年前のあの当時、こんなサイトもなければ情報源もなく、日本を出れば手に入らぬと思い込み、米や麺類は勿論、高野豆腐、しいたけ、のり、など乾物も大量に買い込み、有効期限が切れたり、虫がついたり、変色したり、で捨てたのも結構ありました。
失敗から学んだ事
 先ず、情報収集を。食品は可能な限り、現地調達を。保存食は、最小量・最大品目で購入を。
【質問6:その他】
・その他、何か食事や料理、食材の入手などに関して、アイデアやエピソードなどありましたら教えてください。
 ありゃ、質問5で答えたけれど、内容としてはここに記すべきでしたね。
 食材・料理に限りませんが、現地の人や他のヨッティーとの交流が多ければ多いほど豊かになる、と実感。
 先ずは英語の勉強に励んで、後は臆せず話しかけることかなぁ...。これからヨットで世界に出てみようと計画してる人へのアドバイスは。
「みやこわすれ」 SK31
航海時期 1976〜1978
航海エリア 横浜〜サンフランシスコ〜サンディエゴ〜メキシコ〜フレンチポリネシア〜ラロトンガ〜サモア〜トンガ〜フィジー〜ニュージーランド〜ニューカレドニア