長距離航海者の広場
エッセイ
【テーマ:食事について】
アンケート回答例:「夢丸」の場合
(2006年9月30日掲載)
【質問1:航海中(走っている場合ならびにアンカレッジにいる場合)は、どのような食生活でしたか?】
・定番の料理名は?
 朝はパンとミルクとサラダ
 昼は麺類(含むスパゲッティ)
 夜はご飯に、肉または魚(いずれも主に缶詰)と野菜(炒め物が多かったかな)
 以上のパターンで定番と言われる特別の料理はなかったが、そのときある食材で出来たものを食べた。
・料理をする上で気をつけていたことは?
 新鮮な魚が掛かったときの刺身など以外、生ものは極力避けた。
・工夫したことは?
 航海中の定番野菜、キャベツ、ジャガイモ、玉ねぎのあらゆる組み合わせを厨房長が工夫していた。
 ご飯は、圧力釜で炊いて現地で買ったお米でも十分おいしかった。
・その他エピソードなどを教えてください。
 ケンケンに掛かった魚と、時折飛び込むトビウオゃイカは最高のディナーとなる。
 赤道越えの時は必ず赤ワインで乾杯、赤道祭を実施。
【質問2:長持ちすると思った食材は?】
・野菜、果物、その他なんでも、長持ちするなぁと思った食べ物を教えてください。
 野菜では、ジャガイモ、キャベツ、玉ねぎ、セロリ
 果物では、グレープフルーツ
【質問3:食材を長持ちさせる工夫】
・常温で、または冷蔵庫を使用して、それぞれ、食材を長持ちさせる工夫をご存知でしたら、教えてください。
 キャベツは、葉っぱを一枚ずつはがして使い、残った芯の部分を数ミリをカットして新聞紙に包んでおくと熱帯でも一ヶ月はもつ。(芯の切り口部分から腐りはじめるので常に切り口を新しくすると良いらしい)
 「エプリルフォース」松原さんに教えていただいて実行していた。
 玉ねぎ、ジャガイモは風通しの良いところにネットをなるべく平らになるように張って置いた。
 セロリは葉っぱの部分を先に食べると茎の部分は、以外に長持ちして航海中の貴重な生野菜となった。
【質問4:冷蔵庫・冷凍庫】
・冷蔵庫や冷凍庫はお持ちでしたか?
 冷凍庫もあったけれど、ガスが抜けていたのか、ほとんど冷蔵庫状態、それも壊れて、途中からガス冷蔵庫(40L)を購入して使っていた。
ただ航海中ある角度にヒールすると冷えないことがあって困った。
 また暑いときの利きが甘い。
 5Kのプロパンで一月くらいはもつので効率は良い。
 何より、電気を使わないのが良い。
 他、12Vエバポレータの国産冷蔵庫(エンゲル)を途中で購入したが、予想以上に電力を必要としたことと、すぐにガスが抜けて使えなくなり期待はずれだった。
 航海中、冷蔵庫で常に冷やしておいたものは、ビール、バター、開封後の醤油、など。
 生肉などは出航後せいぜい2,3日くらいで、野菜ほか食材の保存にはあまり使わなかった。
 むしろ係留中のほうが普通に使っていた。
 ヨットでの航海中の装備としての冷蔵庫をどうするかは、電源をどうするかなど結構難しい問題です。
 家庭用の国産冷蔵庫のような省エネで効率の良い物が見当たらない。
【質問5:お勧めの保存食】
・レトルト食品や缶詰など、お勧めの保存食品はなんでしたか?
 値段も高いのでレトルトはあまり持ってなかった。
 缶詰はツナ、イワシ、コンビーフ、鳥、桃、梨、パイン、コーン、にんじん、マッシュルーム、グリンピース。
 他にハウス本豆腐または森永の紙パックの豆腐、インスタントラーメンなど。
【質問6:その他】
・その他、何か食事や料理、食材の入手などに関して、アイデアやエピソードなどありましたら教えてください。
 アンカレッジでは、主に現地の食材で、ごく普通に何でも作って食べていた。
 特に肉は滞在国の最もポピュラーな物を好んで使った。
 たとえば、ニュージーランドではラム、オーストラリアは牛、南アではパボ(七面鳥)、スペインでは豚など値段も安くおいしい。
「夢丸」
航海時期 1999年5月〜2004年11月
航海エリア 西回り世界一周