長距離航海者の広場
泊地情報
【北太平洋ミクロネシア諸島】
ポンペイ:Pohnpei
(ミクロネシア連邦)
◇基本情報
◇エントリーパーミット:Entry Permit
 ミクロネシアにヨットで訪問するにはエントリーパーミットが必要です。エントリーパーミットは外務省の情報によると90日間を越える滞在に必要な書類との事(※参照)ですが、筆者が2001年当時に在日大使館に問い合わせた際は、入国には所持が必要との説明だったので、取得していきました。実際、入国時に提示が求められました。また、ミクロネシア政府観光局のホームページにも、30日以上の滞在には必要であると銘記されています。ヨットで訪問するのなら、取得していくべきでしょう。在日ミクロネシア大使館で取得出来ます。また海外のミクロネシア大使館でも同様に取得出来ますが、全ての国に大使館や領事館があるわけでは無いので、取れる国は何処なのか予め調べておきましょう。
 エントリーパーミットには有効期間の設定がありますが、期限切れでも持っていれば新しい期限の物を取るのは簡単です。パーミットを持たないでも入港出来ると言う話は聞いたことがありますが、確実な情報とは言えないのでやはり取得しておくべきでしょう。
◇アプローチ
 コロニアハーバーはポンペイ島を取り囲む環礁の北に開いたソケースパス(Jokaj PassあるいはSokehs Passとも)からエントリーします。パスを抜けるまでは、リーフに寄り過ぎない限り周辺にトリッキーなハザードはありません。
 島の西側に位置するアンツ、パキンの両環礁に対しては、夜間等視界の悪い時には充分な距離をとりましょう。
◇エントリー
 「新月」で入港した2003年2月の時点で、ソケースパスを抜けてコロニアハーバーへと進むルートにおいて欠けた航路標識は無く、海図に記載された物は全て正しく設置されていました。
 ポンペイがミクロネシアの主島で商船の出入りが多い事、発達した台風の被害があまり無い海域である事等考えると、現在も航路標識は正しく設置されていると予想されます。
 海図と実際の標識、海の色などをしっかり確認しながら進めば難しい入港ではありません。エントリー前に16チャンネルでハーバーマスターに声をかけてから、落ち着いて入港しましょう。「新月」の時もそうでしたが、本船や漁船が係留している商用岸壁(コマーシャルワーフ)に誘導されるでしょう。
◇入港手続き
 入港手続きは商船用の岸壁で行われます。エントリー前にハーバーマスターをコールしておけば検疫、入管、税関の各職員を呼んでおいてくれます。ミクロネシアでは入国手続きにはお金がかかりませんが、検疫は有料です。また通常検疫は入国時に一度受ければその国にいる間は再度受ける必要はありませんが、ミクロネシアでは州を移動する度に受けなければならず、その都度費用も発生します。
 ミクロネシアでは観光目的の場合初めに一ヶ月(30日間)の滞在許可がもらえ、その後2回更新できるので最大90日間の滞在が可能です。これは検疫とは違って州毎ではなくトータルの滞在期間をカウントされるので注意が必要です。
◇インナーハーバー(ルーモアスマリーナ)へのアプローチ
 入港手続きが全て終了したら、コマーシャルワーフからもっと奥の安全なアンカレッジに移動しましょう。ワーフから奥の海図は存在しませんので、イラスト(イラスト上をクリックすると拡大図が別画面で開きます)にあるようにスティックに従って船を進めます。
 コマーシャルワーフを離れた後、入り口方向から奥に進む場合は原則としてスティック()を右に見るようにルートをとらなくてはなりません。@の様に真っ直ぐ進むと小島の左を抜けて砂山と作業船に突き当たるので、Aの様に作業船の横に沿って右に曲がります。二隻目の作業船を通り越したあたりで地形に沿って左に折れると、マングローブの茂った小島の右手に、注意しなければならないスティック()が見えてきます。このスティックのみ、唯一左に見て進まなければなりませんので、間違えないようにしましょう。もしここを間違えるとリーフに乗り上げてしまいます。ここを通り過ぎれば、後はBの様に地形に沿って真っ直ぐ進むと、入り江の前に幾つかのヨットが錨を下ろしているのが見えてくるでしょう。
 「新月」が留まったこの入り江は「ルーモアスマリーナ」と一般には呼ばれています。かつてはシャワーやランドリーの設備が使えたそうですが、2003年の時点では水道のみ使えるディンギードックでしかなく、利用に1日1ドル課金されました。その後すぐにこの使用料は1日2ドルに改定され、訪れた船の多くはこの施設を使わずに近くの水辺の村から上陸するようになったそうです。
 ちなみにポンペイは大変降水量の多い島で、とてもきれいで美味しい水がいくらでも空から降ってくるので、水道が使えなくても給水にさほど不自由は感じません。
※イラストの上をクリックすると、別画面で大きな画像が開きます。
注意 普通のスティック()の位置は正確ではありません。実情に合わせて船を進めてください。
◇補給
 ポンペイはミクロネシア主島で首都パリキールを擁しますが、経済をはじめとする実際の生活中心地はコロニア(前首都)であり、補給に関してもほぼ全てここで用を足す事になります。
 食料品は幾つかのスーパーマーケットで、給油はガススタンドでポリ缶に入れてもらった物を船まで運んで補給します。
 船具の類は全く手に入らないと考えておいた方が良いでしょう。必要な物は海外から取り寄せる事になります。
◇その他のサービス
 2003年の時点で、インターネットはテレコムの建物の中で利用可能でした。
 国際電話も同じくテレコム内のブースが利用出来ました。
 映画館は立派なものがあり、水曜日(だったと思います)が半額の日でよく観に行きました。
 日本人の経営するダイビングショップが幾つかあり、気軽にダイビングが楽しめます。
◇注意が必要な事
 夜間に出歩くときは犬に注意しましょう。ミクロネシアでは犬を食用として飼うケースが多く、昼間は比較的人間を恐れているように見えますが、夜になって数頭の集団になった時などは随分と気が荒れるようです。夜は護身用の棒などを持ち歩きましょう。
注意 ヨット「新月」の滞在期間は2003年2月より2003年4月までです。したがって上記情報も基本的にはその当時のものですので、現状とは異なっている場合が考えられますからご注意ください。